2016年2月2日火曜日

人類はついに光合成を手に入れた!人工の葉が酸素を作り出す奇跡

http://nge.jp/2014/08/11/post-3496









友達が紹介していて非常に気になったニュースだったので、このブログで紹介することにしました。
何を隠そう、僕は大学院生の時に植物の光合成の研究を行っていて、人工光合成は僕が高校生の頃くらいから考えていた夢だったんですよね。
ただ、大学院生の頃に植物の光合成の緻密な仕組みを知るにつれて、これを人工的に行うのは至難の業だぞ、と思うようになりました。
結局、僕はその後研究職に就くことは無く、今は介護の仕事やってる訳ですが(;´∀`)
それでも、自分が実現することは出来なくても、誰か他の人に人工光合成を達成して欲しいという思いはずっと持ってるわけです(*´ェ`*)


まず、人工光合成のアプローチとしては2種類あって、一つは光触媒などの無機物を使って光合成を模した反応を起こす方法、もう一つは植物から葉緑素などの細胞を取り出して、それに光合成をさせる方法。
今回の記事で紹介している方法は後者の方法ですね。
なんでも、絹から取り出したタンパク質に植物の葉緑素を注入するとこのシルクリーフが出来るそうです。
記事の中では、このシルクリーフが実際に二酸化炭素から酸素を作り出すことが出来たと報じています。


ただ、ここでまず疑問として思い浮かぶのは、光合成の収支式を考えた場合、
6CO2 + 12H2O → C6H12O6 + 6H2O + 6O2
となり、二酸化炭素から酸素を作るには水が必要になるのですが、このシルクリーフは空気中で放置しているように見えます。
空気中の水を吸収することが出来るのでしょうか?


第2に、上の式の通り光合成が進んだ場合、シルクリーフ中にはブドウ糖が蓄積することになるはずです。
このブドウ糖が蓄積するということは、いずれシルクリーフがブドウ糖で満たされて光合成が止まってしまうことが考えられます。
その期限はいつなのでしょうか?
ビルの外壁に利用するプランも考えているみたいですが、その際の耐用年数はどれくらいなのでしょう?


アイデアとしては非常に素晴らしいです。
ただ、このニュース記事がUPされたのが2014年8月、今から1年半も前の話です。
それから目新しい追加情報が提供されてないところを見ると、実現にはまだ程遠いのでしょう。
このシルクリーフの生みの親であるジュリアン・メルキオッリ(Julian Melchiorri)さんの学術論文が検索で引っかかってこないところを見ると、論文レベルでの検証もされていないのでしょう。
ただ、人工光合成はこれから非常に重要になってくるテクノロジーだと思うので、ぜひ一線で研究している方には頑張っていただきたいです!
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